1年以上前に Mikuinstaller という優れたフリーソフトを紹介させていただきました。
リリースから1年以上が経ち、Wine のバージョンはどんどん上がっているものの、Mikuinstaller の Wine バージョンは変わっていないため、「Wine のバージョンを最新のものにしたいなー」と思っている人は多いと思います。
そこで、とりあえず簡単?にできる方法をご紹介します。
【1.既に作成されている環境をゴミ箱にポイ】
この作業をやろうとしている人は、解っているかと思いますが、
(ユーザ名)/ライブラリ/Application Support/MikuInstaller/prefix
の中に作成した環境があります。
これを潔くフォルダごと捨ててしまいましょう。
もしかしたらprefixを別な名前で作成すれば、既存バージョンと共存できるかも?(未確認)
【2.MacPorts をインストール】
すでにインストール済みの人は次へ。
これからの人はダウンロードしてインストールしましょう。
インストール後、以下のコマンドを実行するのをお忘れなく。
↑¥が表示されている場合は、\に置き換えてください。
【3.Wine 最新版をインストール】
すでに古いバージョンの Wine がインストールされている場合は Uninstall しましょう。
Uninstall 方法はインストールしたときの方法にならって行ってください。
最新版インストールは、ターミナルから以下のコマンドを実行します。
管理者パスワードを要求されますので入力します。
インストールが終わるまで1時間前後かかると思いますので、その間動画サイトでおのおの楽しんでください。
インストールが運良く無事に終わると、ターミナルから Wine が使えますが、知っての通り面倒です。
「おれはターミナルが大好きさっ!」って人はここで終わっていいです。
【4.Mikuinstaller の wine.bundle の入れ替え】
アプリケーションフォルダにインストールした Mikuinstaller でも
新たに Mikuinstaller-xxx.dmg からデスクトップ等にコピーしたものでもかまいません。
Finder で Mikuinstaller(ほんとは.appがつく)を右クリックし「パッケージの内容を表示」を選択します。
Contents/Resources の中に Wine.bundle がありますので、これをまた右クリック「パッケージの内容を表示」します。
Contents/SharedSupport の中にある4つのフォルダ(bin, include, lib, share)を
先ほどの port install でビルドされた以下の同名フォルダで上書きコピーします。
(ルート)/opt/local の中のフォルダ(bin, include, lib, share)
不要なファイルもコピーされてしまうかもしれませんが、必要なファイルだけ抜き出す手間を考えたらこれが近道です。
というか、どれが必要なファイルなのか知らないのでこんなことしてます。
【5.動作確認】
最新版 Wine を入れた Mikuinstaller を実行し、「環境設定」の winecfg の 「Wineについて」タブでバージョンが確認できます。
この機会に「オーディオ」設定も済ませておきましょう。
あとは、初音ミクの setup.exe を実行したりして動作確認してみてください。
【既知の問題について】
上記の方法で Mikuinstaller の Wine バージョンアップができた訳ですが、「初音ミク」で以下の不具合を確認しました。
・日本語入力ができない
・コントロールパラメータの表示が消えてしまう(復活?)
・アプリケーションバンドル作成に失敗する(無視)
他にもまだ不具合は出てくるかもしれません。
でも、元のバージョンより動作が安定、実行速度が速い(気がする)、今まで使えなかったアプリケーションが使えるように改善されている、といった恩恵を受けられるかもしれません。
まだまだ発展途上な Wine ですが、開発者様に感謝しながら利用していこうと思います。